製品紹介

特殊パルス電源

アノード変調器

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写真

アノード変調器

概要

リニアック加速器空洞で電子・陽子・素粒子を加速させるためには、高周波電力の供給が必要となり、クライストロンにパルス状高電圧を印加することにより駆動を行います。
アノード変調器はクライストロン用直流高圧電源の出力電圧をパルス化するために使用されるもので、クライストロン電源システムの中枢機能を担うものです。

用途

研究用加速器、医療用加速器

特長

従来の4極管に代わり、高電圧半導体スイッチを採用する事でランニングコストを抑える事に成功しました。
この半導体スイッチは120kVもの電圧をON/OFFすることにより直流をパルス出力に変換しており、絶縁耐量の配慮のみならず、規定波形を構築するためのパルス回路技術、多段接続の半導体素子のドライブ回路技術、トリガ信号の光化など、高度な技術が結集された装置となっています。
以前は有限寿命の4極管を使用していたため数年に一度電子管の交換が必要でした。半導体化したことにより、ライニングコストを大幅に低減する事が出来るのと同時に、交換に要するタイムラグをなくすことによる長期安定運転にも貢献しております。

【補足】
4極管はヒータ回路などが必要で且つショット数に制限があり実績では約5年程度で管の交換を行っていたが、半導体化でヒータ回路、定期交換は不要となる。

仕様

出力仕様

電源 出力 備考
カソード電源 定格電圧:-110kV
(無負荷時 -120kV)
カソード電源は製作範囲外。
本電源を通過してクライストロンへ接続される。
アノード電源 ①定格出力電圧
-94kV(100%)
出力電圧の切り替えは、油タンク上蓋にある高圧切替スイッチにより行う。
②電圧切替
カソード電源-110kV時に出力電圧を3段階に切り替える事ができる。
・ 100%:-94kV(@-110kV)
・ 105%:-98.7kV(@-110kV)
・ 110%:-103.4kV(@-110kV)
③パルス幅
 ~700μs(半幅値)
  620μs(フラットトップ幅)
④パルス電流
1A(入力電流)
200mA(負荷電流)
⑤立上げ時間
40μs(10%→90%)以下
繰返し50Hz
本装置外部の静電容量を200pFとした場合
⑥立下げ時間
130μs(90%→10%)以下
逆バイアス電源 定格電圧:-3kV(固定)
定格電流:正方向:200mA(パルス出力期間)
     逆方向:5mA
ヒータ電源 入力電圧:AC100V, 単相
出  力:660W
カソード電位へ供給される。

データシート
波形データなど

アノード変調器
Ch1:アノード電圧 Ch2:アノード電流