技術紹介

部分放電計測技術

この技術に関するキーワード

  • 部分放電計測
  • ノイズ
  • インバータ
  • サージ
  • 周波数帯域

どんな技術?

電線(ケーブル)や電気機器には、絶縁体中にボイド(空隙)が存在すると、このボイドから発生する部分放電により徐々に絶縁材が劣化・浸食され、いずれは絶縁破壊して機能停止状態となってしまいます。送電線などの電力ケーブルにそのような状況が起これば、大規模停電が発生することはもとより、火災発生による2次被害の恐れもあり、類似の事故事例は複数報告されています。
近年では、電気自動車に代表されるように、インバータモータが多く採用されています。
インバータ制御では、高周波での繰返し運転が行われるのに加え、パルス立上り/立下り部にサージ電圧が発生するため、ベース電圧の2~3倍の耐量を想定する必要があります。
当社の部分放電測定器は、インバータサージ下において部分放電の電荷量が計測できる画期的な計測器です。

直流高圧安定化電源技術
直流高圧安定化電源技術

何が難しいの?

従来より、商用周波数の交流電力下における部分放電測定器は、多く販売されてきました。
※ヘフリー社の部分放電測定器(商用周波用)も当社で代理店販売しております。
しかしながら、インバータのような高速スイッチングの環境下では、スイッチングの周波数帯域と部分放電信号の周波数帯域との切り分けが非常に困難でした。

当社はどの様に解決しているの?
当社の技術はどこが優れているの?

当社で開発した部分放電測定器は、インバータによるスイッチングノイズを極力キャンセルし、部分放電の発する周波数帯域に絞り込んで計測が行えるように工夫を重ねた計測器です。
高電圧電極に直接接触させて計測を行うため、部分放電の発生有無だけでなく、部分放電の電荷量や発生頻度、放電波形観測、検知パルス数をもとにした判定出力機能を有します。

どのように生かされているの?(実績)

インバータパルス発生器と組合せ、インバータサージ下においても部分放電計測が行えることによりお客様製品の実使用条件に近い形で絶縁劣化を確認出来ます。
部分放電計測を行うことは、巻線絶縁材もしくはインバータモーターの品質確認、劣化度合いの検証(寿命診断)などに役立てられます。
将来的には、故障の予兆診断に役立てることが期待できます。

この技術を使用した製品一覧

インバータサージ用部分放電測定器
(NPDシリーズ)

インバータサージ下で部分放電計測が行える部分放電測定器です。
結合方式により、部分放電電荷量や発生数の計測が行えます。

部分放電測定器 [DDX9121b](商用周波用)
(ヘフリー社)

部分放電(PD)とラジオ障害電圧(RIV)用の測定器です。国内外の規格に準拠した部分放電測定の他、機能追加により直流PDやRIVの測定が行えます。

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インバータパルス発生器

EVモータの寿命評価用試験器です。
インバータサージ波形を模擬した試験が行えます。

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